朝礼 方針発表会 研修 社内報に最適

伝わらない方針発表会は何が足りないのか

対比用効果への疑問

全国に店舗や支店を持ち、社員数500〜800人規模の方針発表会ともなると、ホテルの会場費、機材費、運営費、交通費、宿泊費と一千万円を超えます。100人程度の中規模な会だとしても、都内なら会場費だけで30万円以上はかかり、加えてイベント会社などに運営を任せれば100万円単位の費用が発生します。

方針発表会に向け、経営幹部のメンバーは、数値計画を立案し、目標を立て、資料を作り準備します。ここで、「会社を支えているのは社員」という考えが抜け落ちているとどうなるか。発表はしたものの、262法則の上層に属する僅かな社員にしか理解されず、中間層から下層に属する社員は自分事として捉えられません。

制度上、従業員は会社と雇用関係にあり、会社の指揮命令に服さなければいけません。しかし、服する気持ちはあってもビジョンが共有できていなければ、掲げた方針が日々の行動に反映されることはありません。

これでは、方針発表会に何百万円の費用をかけたとしても、望んでいるパフォーマンスは得られません。

方針発表会は社員の道標

方針発表会の主な目的は、組織全体のビジョン共有、指針の理解です。スポーツの世界に見る強いチームのように、目標を共有し、一人ひとりが自身の持つ能力を高めチームのために貢献する、そういったチーム作りの第一歩です。

その為のメッセージは、教科書通りならば ・ミッション(法人として果たすべき使命や役割・普遍的な価値観) ・ビジョン(ミッションの実現に向けたあるべき姿) ・行動指針(ミッション・ビジョンを実現するためのとるべき行動)を明文化すれば正解です。

しかし、正解だからといって社員の気持ちを動かす原動力にはなりません。

そもそも、利益を求める会社側と自己成長や生活の安定を求める社員側では、ベクトルが異なります。その違いが自分事として捉えられないわけです。

伝えたいことだけを伝えるのは、売れない営業マンと同じです。社員の本音を加味した上でスピーチを設計しなければ、経営幹部が思い描くゴールには辿り着けません。社内報で社員を取材し記事にする。この時、本音を聞き出ことができていれば記事の内容は、スピーチの設計にも役立つはずです。

会社の方針が、自分の未来にどのようなカタチで繋がっていくのか、置き換えやすい題材を用いて想像を促す。そして、会社が描く未来に”誇り”を持てるように社員を導く。意味ある方針発表会とは、発表したという事実だけを作るのではなく、視聴する社員にとっての道標になることです。