今回、法人営業部で取り上げたテーマはSONYです。困難な状況を救ったのは、彼らのアイデアと諦めない気持ち。システムや情報に頼る自分たちのスタイルを改めるきっかけにしたいと思いました。
1年間で1台も売れない
SONY、Panasonic、日立、東芝、東芝と今や世界中の人々の生活の中にある日本のエレクトロニクス製品。しかし、わずか60年前のアメリカでは日本製品は「粗悪品」の代名詞でした。その中、SONYの営業マンは、昭和30年に開発したトランジスタラジオを欧米各国で販売するために体一つで海を渡ります。ところが、現実は想像以上でした。ドイツでは1年間で1台も販売することができず、アメリカでは故障による返品で事務所は埋め尽くされてしまいます。
故障の原因は、パナマ運河を通ってラジオが輸入される際に熱帯の高温多湿の影響でコンデンサに使われていた銀が化学反応していたからでした。
これを高温多湿に強い材料に変更することで、その後の故障はなくなります。
世界に認められた瞬間
見向きもしてくれないドイツは、更に土俵際です。北極で氷を売るようなものでした。そんな環境下に1人のドイツ人が現れます。そして彼は言いました。
「ドイツ人はプライドが高い。売るなら高級品に絞って品物を置いてもらおう」
なんと、SONYはお金を払って1週間だけスタンウェイ(ニューヨークで設立されたピアノ製造会社)に展示をしてもらいました。更に作戦は続きます。その後、学生を雇ってスタンウェイに行きラジオを買わせました。半信半疑ながらもスタンウェイではそれがきっかけで製品を仕入れてくれることになりました。これを都市ごとに繰り返し、間も無くドイツの全都市にSONYの製品が置かれました。
実はもう一つSONYの営業マンが行っていたことがあります。彼らは喫茶店へ入るたびに「ご注文は?」と聞かれると、「SONYをください」と言っていました。最初の反応は“何それ?”でした。当然です。無名ですから。ところが、スタンウェイの戦略の後、喫茶店で「SONYをください」と言うと「SONYはラジオでしょ」と返ってきました。
まさに「サムライ魂」が世界に認められた瞬間でした。
リーダー 鈴木 雅之 「学ぶべきは自分たちが決めた形を貫く信念。そこに尽きると思います」 サブリーダー 野上 亮磨 「発想力もそうですが、自分たちの商品を信じているからこその行動力かと思いました」 メンバー 大竹 弘 「営業とは販売することが仕事ですが、その為に何をするかで決まるのだと思いました」 メンバー 太田 仁美 「挑戦することへの楽しみを教えていただいた気がしました」
法人営業 サポート 上野 真実